釣り場で釣果を伸ばすなら、ロッドやリールよりも先に偏光レンズを買うべき!というのは経験者が口を揃えていう言葉ですよね。
でも、良い偏光サングラスを作ろうとしても、思ったよりも偏光レンズのメーカーが少なくて困った事はありませんか?
それもそのはず!
どこのメーカーも偏光を作ってはいるんですけど、メーカーごとの温度感が全然違うわけです。
積極的に偏光レンズを開発しているメーカーはめちゃくちゃ少ないです。
しかし、数は少ないながらも、高パフォーマンスな偏光レンズを作るのに心血を注いでいるメーカーもあります。
そこで今回は、「ハイクオリティな偏光サングラスを作りたい時に選ぶべきメーカー」と、「レンズを選ぶときの基準」をご紹介していきましょう!
(※かなり踏み込んだところまで書いてしまったため、もしかしたら消されるかもしれませんが、そのときはそのときです!)
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ミナミメガネオリジナル偏光サングラスはこちら
▼偏光レンズに詳しくなりたいならこちらの記事!
偏光レンズの素材は何がオススメ?徹底解説します!
偏光レンズとは
この記事は「釣り最強 偏光サングラス」で検索されているようなので、もはや説明不要かもしれませんが一応。
偏光サングラスというのは、通常のサングラスに加えて、特殊なレンズで「眩しさを軽減させる(偏光)機能」が付属したものです。
釣りの場合はとくに重要で、水面のギラツキを抑えてくれて非常に快適になります。
水面のギラツキが消えると、沖の潮目を眺めたり、薄いナブラを見つけたり、ベイトの種類を確認したり、ストラクチャーを発見したり、ラインのフケ、ウキの沈み、チェイス確認、などなど様々なメリットが出てきますから、釣果も上がります。
「今日ベイトいないねー」
って思って偏光サングラスを掛けたらビックリするほど泳いでいた、みたいなことは画像を見ればわかるはず。
(※2枚の時間差はコンマ1秒以内ですから、魚の位置もほぼ変わっていません)
写真よりも肉眼のほうが、魚の動きがわかってよりハッキリ見えるため、一度も使ったことがないなら感動するでしょう。
もちろん、太陽光からのUVをしっかりカットして、釣りのあとの疲れ目を軽減してくれるのも大事ですよね。
▼カラーごとの見え方比較ページもあります
https://minamimegane.com/2022/11/20/rarts-comparison/
偏光レンズは光学メーカーから選ぼう!
世の中に出回っている偏光サングラスは、「偏光サングラス」として名乗れるものは数少なく、多くの場合は「ファッション用サングラス」というカテゴリーに入ります。
じつは、メガネ用のレンズは薬事法で「一般医療機器」というカテゴリーで、一応、細かい決まりがたくさんあるんですよね。
つまり偏光サングラスって何でもいいわけではなく、身体や目のことを考えると光学メーカー製偏光レンズを選ぶほうが格段に安心できるのです。
といっても、どこのメーカーを選んだら間違いないのかなんて、一般のお客さまにわかるわけがありません。
なので60年以上続くメガネ屋の店長が、たくさんのレンズメーカーの中からここしかない!と思うメーカーを今回ピックアップしました。
1つだけ注意点として、どこが一番優れているということではなく、ご自身の使用用途に合わせてお選びくださいませ。
※備考:偏光サングラス?偏光グラス?偏光レンズ?
言葉がわかりずらいと指摘があったので追記しておきますね。
- 偏光サングラス:偏光レンズとフレームがセットになったもの
- 偏光グラス:偏光サングラスの略称
- 偏光レンズ:レンズ単体
当店のブログではこういう使い分けをしています。
といっても、メガネ屋で偏光サングラスの話をするときはなんとなく話してもらえればちゃんと伝わるため、使い分けは適当でいいと思います。
メーカーを選ぶときに見るポイント!
さて、この項目がこの記事のメインの部分、あまり語られない偏光レンズ選びのキモになります!
偏光レンズメーカーには各特徴がありますが「釣り最強サングラス」を知りたいのであれば、素材や製法を理解しておいたほうが良いのです。
- レンズ素材
- 偏光フィルター素材
- レンズ製法
これを頭に入れておくとメーカー選びがスムーズになります。
素材の話はなぜかタブー的な部分があるため、メーカーHPで説明されることはありませんし、ここまで書いているブログも他にありません。
覚えることは3つだけですので、ぜひ頭に入れてみてください!
ポイント1:レンズ素材
プラスチックレンズといっても種類がいくつかあって、大手光学メーカーが扱っているプラスチック素材はおもに
- 「CR-39」
- 「MRシリーズ」
という2種類です。ほとんどの度付きプラスチックメガネレンズはどちらかで作られています。
これ以外のプラ素材では、NXT、ポリカーボネート、トリアセテート、アクリル、量販店の謎素材、などがありますが、一般的ではないためここでは割愛しましょう。
CR-39とMRシリーズは、レンズへの成型方法や素材特性がそれぞれ違っています。
CR-39は第二次世界大戦中(1940年頃)にアメリカで開発された素材で、
- メリット:コストが安い、色収差が少ない
- デメリット:耐久性が悪い、加工性が悪い
MRシリーズは1987年に日本の三井化学で開発された後発素材で、
- メリット:耐久性・加工性が良い、度付きレンズが薄く作れる
- デメリット:価格が高い、色収差で劣る、大手メーカーしか作れない
(※MRシリーズは、CR-39のように1種類だけではなく、用途に応じて種類がわかれています)
というようにそれぞれの素材で特性があります。
いま現在のメガネ用レンズでは、性能的に優れているMRシリーズへ切り替えが行われていて、CR-39を扱わないメーカーも出てきました
とくに、CR-39の優れている部分、色収差(アッベ数)に関しては日常使用でほぼ知覚できないレベルの話ですし、コスト面も昔から比べるとCR-39とMRシリーズの価格差はほとんどなくなりましたからね。
ただ、MRシリーズのレンズ制作は設備投資に数十億~数百億規模の資金が必要なため、まだ大手光学メーカー以外では手を出しにくいそうです。
そのため、すぐにCR-39が消えてなくなることはないと思います。
ポイント2:偏光フィルター素材
偏光レンズの中には偏光フィルター(偏光膜)というものが入っているのですが、素材特性というよりも、フィルターの染色方法によって扱いが変わってきます。
大きくわけると「ヨード系(ヨウ素系)フィルター」と、「染料系フィルター」の2種類。
ヨード系というのはメガネ業界独特の呼び方で、光学の世界ではヨウ素系と呼ぶことのほうが多いですね。
ちなみに、今回紹介している大手メーカーのハイエンド偏光レンズは、レンズと偏光膜を組み合わせるときの作業工程がほとんど手作業で作られているのが特徴です。
ヨード系(ヨウ素系)フィルターは
- メリット:明るくできる(染色性に優れている)
- デメリット:耐久性で劣る、紫外線で劣化しやすい、水に弱い
- 色抜け:青抜けしやすい
染料系フィルターは、
- メリット:耐久性にとても優れる、熱に強い、水に強い
- デメリット:明るい色を作りづらい
- 色抜け:赤抜けしやすい
(※色抜けに関しては一応法則だけ書いてみましたが、基本的に大手メーカーは対策済みと思って大丈夫です)
上記、2種の大きな違いは耐久性。
染料系はヨード系の2倍程度の寿命があるといわれていますが、使用環境によって変わるため大まかな目安にしてみてください。
また、ヨード系は熱に弱いのでCR-39に、染料系は熱に強いのでMRシリーズに、それぞれの組み合わせで使われることが多いです。
釣りなど水の近くで使うなら染料系フィルターの方がオススメでしょう。
ただ、偏光フィルターはスマホや液晶テレビのパネルにも使われているため、レンズ素材よりも開発スピードが早いのも特徴の一つです。
もしかしたら今日書いている内容が1年以内に更新されてしまう可能性も十分あります。
ポイント3:レンズ製法
安いレンズと高いレンズの価格差につながるところ。
偏光フィルムとレンズ素材の組み合わせ方です。レンズ設計といったほうがいいかもしれませんね。
基本的にはメーカーごとにレンズ製法が決まっているので選ぶことはできないですし、詳しく書くとまぁまぁのボリュームになるためザックリ説明していきます。
- ワンブロック成型(MR素材)
- 貼り合わせ成型(CR-39)
- フィルム貼り(安価なレンズ)
よくあるのはこの3種類、上から順番に性能順に並べました。
大手の光学メーカー製偏光レンズは、上2つがメイン。
ワンブロックも、貼り合わせも、両者ともレンズとレンズの間に偏光フィルターを挟み込むのですが、
「ワンブロックはフィルムと素材の融着、貼り合わせはフィルムとレンズ素材を接着剤で貼る」
という方法になり、融着のほうが強度や耐久性が上がります。
商品説明に「ワンブロック成型」と書かれていればワンブロック形成、書かれていないなら「貼り合わせ」という方法が取られているケースが多いです。
そこからものすごくランクを落とした「フィルム貼り」。
セットで5000円などの量産型偏光サングラスで使われている手法でコスト面以外のメリットがなく、今回紹介するメーカーでは取り扱いがありません。
ほかにもHOYAの偏光コーティングがありますが、内容が特殊すぎるので後述(HOYA紹介の項)します。
偏光レンズ四天王
偏光レンズを作っているメーカーには四天王とでも呼ぶべき存在があります。
この他にも偏光を作っているメーカーはたくさんありますが、技術的に考えるとこの4社だけ覚えておけば問題ありません。
それぞれに下記のような特色があります。
- コダック:MR素材・染料系
- タレックス:CR-39・ヨード系
- 伊藤光学(RARTS):MR素材・染料系
- コンベックス:CR-39 & MR素材・ヨード系
ざっくりいうと、
■ 価格が高くても良いものが欲しいならコダック
■ 知名度ではNO1のタレックス
■ コスパ最強と言われる伊藤光学のRARTS
■ レンズに明るさを求めているならコンベックス
という感じです。
さぁ各社の細かい部分をご紹介していきましょう!
究極の偏光レンズ!コダックの「ポラマックスプロ」
公式サイト | http://sajapan.jp/ |
---|---|
プラスチック素材 | MRシリーズ |
ガラス素材 | 無し |
偏光フィルム | 染色系 |
レンズ成型 | ワンブロック成型 |
可視光線透過率 | 16~30% |
価格帯 | ¥20000~(1セット) |
偏光レンズ界のハイエンド「コダック PolaMAX Pro」。
(※無印のPolaMAXではなく、Proの方です )
レンズの営業さんがこぞって、コダックが一番すごい!と手放しに褒めるぐらいに、業界内ではとても有名なレンズです。
よく偏光レンズの比較対象として「PolaMAX」を出している業者さんがいますけど、コダックの真骨頂はトップオブトップの「PolaMAX Pro」ですね。お間違えなきよう。
PolaMAX Proは、従来の偏光レンズPolaMAXにプラスして、ネオコントラスト機能とUV420カットがついた究極のレンズです。
見え方が明るくてコントラストがパキッと出ますし、メガネ業界での評価も最高なのですが、唯一、広告がものすごく下手なので認知度がとても低いのが難点。
レンズの値段が1セット2万円~と高額ですが、一度使ったら普通の偏光レンズじゃ物足りなくなる可能性があります。
物欲的な意味で危険なレンズだったりするんですよね。
コダックは認知度が低すぎる問題
コダックは、大雑把にいうと「良いものを作れば売れる」という職人気質な考え方のメーカーです。
カラーラインナップが限られていたり、パンフレットやHPが一般ユーザー向けではないため、お客さまへの説明が難しいという小売店泣かせな部分も。
そのため、ほとんどのお客さまが一度掛ければコダックのPolaMAX Proのすごさを理解してもらえるのに、手にとっていただける回数が圧倒的に低いのが課題だと思います。
頭一つ抜けている偏光レンズ
正直な話をいうと、メーカーの比較画像などはワンランク下の素材としてポリカーボネート製のレンズやアクリルレンズと比べたものしか出ていません。
つまり、レンズ素材を抜きにして、どのレンズが最強か?という話をすると、コダックのPolaMAX Proが一強となるのです。
また、PolaMAX Proを除くと、ここから下で紹介していくメーカーに関してはカラーラインナップや価格など違いはありますが、悪い意味ではなく横並びに近い状態だと思ってもらっても問題ありません。
しかし、PolaMAX Proに関してはネオコントラストという機能のおかげで、見え方が頭一つ抜けています。
偏光に慣れている方でもびっくりするぐらい視界が変わるレンズです。
ゴルフ、釣り、野球、スノーボードなどの繊細なスポーツのスコアアップを狙うならぜひ一度お試しください。
その他、コダックポラマックスプロの細かい仕様についてはこちら
≫ 究極の偏光レンズ「PolarMax Pro(ポラマックスプロ)」の魅力を解説します!
カラーにこだわる人のタレックスの「PPL75」
※タレックスは当店で取り扱いしていません
公式サイト | https://talex.co.jp/ |
---|---|
プラスチック素材 | CR-39 |
ガラス素材 | 取り扱い有り |
偏光フィルム | ヨード系 |
レンズ成型 | 未記載 |
可視光線透過率 | 6~30%(偏光度99%) |
価格帯 | ¥12100~(1セット) ※ハードマルチコートの価格です |
(※商圏の関係で当店ではお取り扱いしていませんが、偏光レンズの話でタレックスを外してしまうと公平さに欠けてしまうため入れています。あしからずご了承くださいませ)
タレックスはいうまでもなく偏光レンズ界の帝王。日本で偏光レンズを流行させたという、業界の歴史を作ってきた実績があります。
とくに、釣りをしているなら知らない人はいないのではないかと思うぐらい有名ですよね。
ネット上でも好意的な意見が多く、知名度の高さとユーザー満足度が魅力です。
今回紹介している中でも一番ユーザー心理を理解しているメーカーで、用途に合わせたドンズバなカラーラインナップは圧倒的王者の貫禄でしょう。
認定プロショップの安心感
タレックスでは認定プロショップという制度を作っていて、タレックスを扱っている店舗は認定を受けなければいけません。
直接メーカーから技術研修や接客指導を受ける仕組みはタレックス以外に無いため、タレックス認定ショップは一定以上の技術力を持った店舗という安心感がありますね。
一方で、使われている素材が古いままアップデートされていないという点は注意が必要です。
※タレックスは通販禁止
タレックス最大のデメリットは「通販でのレンズ加工」が禁止されていることで、タレックスレンズをオーダーしたいのであれば必ず路面店に足を運ぶことになります。
裏技として、タレックスの公式サイト オンラインショップでセット品を購入、もしくは釣具屋でDAIWAの釣り用偏光レンズ(一部純正採用です)を買う、などで手に入れる方法も、一応あるにはあります。プロショップの意味はなくなりますが。
とはいっても、釣具屋の店頭で長年ディスプレイされているような偏光サングラスは、ヨード系偏光フィルムの寿命(一般的には寿命が3年ほどと言われています)の観点からいって微妙かもしれません。
もし通販で買うなら、新作として発売されたばかりのサングラスを購入するのが一番いいと思います。
コスパを求める人は伊藤光学の「RARTS」
公式サイト | https://rarts.jp/ |
---|---|
プラスチック素材 | MRシリーズ |
ガラス素材 | 無し |
偏光フィルム | 染色系 |
レンズ成型 | ワンブロック成型 |
可視光線透過率 | 11~36%(偏光度99%) |
価格帯 | ¥9900~(1セット) |
伊藤光学の「RARTS(アーツ)」は最近になって出来たブランドなので認知度は少ないですが、圧倒的コスパで業界を賑わしていますね。
どれぐらいコスパがいいかというと、他のメーカーが同じ仕様で作ると価格が1.5倍になります。そういうレベルの価格設定になっています。
この価格帯で提供できる理由は、もともと伊藤光学はメガネ用のレンズを作っている大手光学メーカーでして、偏光レンズは最近になって力を入れ始めたという経緯があるわけです。
ノーマル状態の標準コーティングだけでも十分すぎるほど機能性が高いため、ほとんどのケースで追加費用がかからないのもコスパの良さを後押ししてくれてます。
偏光レンズ業界の革命児
伊藤光学は「世界最高水準のコーティング」といわれているメーカーで、偏光レンズにも「メガネレンズで手に入れたノウハウ」が惜しみなく注ぎ込まれています。
とくにプラスチックレンズでは、コーティングの良し悪しでレンズの耐久性能が大幅に変わります。
つまり世界最高水準のコーティングというのは、言い換えると世界トップクラスの耐久性能をもつ偏光レンズ、といってもいいわけですね。
RARTSは釣り専用という触れ込みで作られたブランドですが、ぶっちゃけてしまうと釣り用レンズが繊細な棲み分けをされているだけで、各種スポーツ用、ドライブ用、ゴルフ用、ぐらいの用途なら余裕で賄うことが可能なのです。
また、屈折率と加工性の良いMR素材が使われているため、度付き偏光で世界最薄になる1.74が使えたり、ナイロールやツーポイントへの加工も可能です。
一言でいうと、「偏光レンズに必要なものが全部盛り」なので、お手軽価格でこのクラスのレンズが手に入るようになったのは革命なんですよね。
軽く見られがちな一面も
RARTSの偏光レンズは、ほかメーカーのレンズと比較するととにかく安いのが特徴です。
「安ければ安いほどいいじゃないか?」と思われるかもしれませんが、じつはあまりに安くしすぎていると「性能も値段なりなんじゃないか?」と思うのが人情というやつです。
でも、使われている素材は「MRシリーズ」という高級レンズ素材、偏光フィルターには熱や水分に強い「染料系フィルム」という贅沢な仕様。
さらにコーティングは世界トップクラスの伊藤光学だし、カラーも後発メーカーの強みを活かしたフルラインナップ、本当にこの価格で売られているのが信じられないレベルなのはメガネ業界だと当たり前の話。
お客様の大多数は「良い偏光レンズは高い!」という認識をお持ちなのですが、RARTSの偏光レンズは他メーカーと変わらないレベルで、一度掛けるとびっくりされます。
その他、RARTSの細かい仕様についてはこちら
≫【コスパ良すぎ!】釣り用偏光サングラスに伊藤光学の「RARTS」が最強な理由とは
RARTS+人気フレームのオリジナルセットはこちら
≫ ミナミメガネオリジナル偏光サングラスセット!
日本一明るい偏光レンズ!コンベックス「PolaWING SPX」
公式サイト | http://www.combex-net.co.jp/ |
---|---|
プラスチック素材 | CR-39・MRシリーズ |
ガラス素材 | 有り |
偏光フィルム | ヨード系 |
レンズ成型 | ワンブロック成型 |
可視光線透過率 | 12~38% |
価格帯 | ¥11000~ |
コンベックスは自社染色が得意なメーカーで、日本一明るい偏光レンズ(偏光度99%を保ったまま可視光線透過率38%)が魅力です。
また、偏光レンズでは珍しいCR-39(SPX150)とMR素材(SPX160)の2種類を扱っているので、自分の用途に合わせて作ることができます。
元々MR素材(SPX160)は度付き用のラインナップとして出されていますが、度数を入れない場合でも予算に余裕があるなら耐久性に優れたMRシリーズをオススメしています。
今回紹介してきた4社の中では一番知名度が少ないメーカーですが、昔からコンベックスは一定の人気があり、偏光レンズマニアになると必ず一本は持っているほどのメーカーなのです。
明るい偏光レンズは使い道が非常に多い
コンベックスの強みは明るい偏光レンズで、透過度は他メーカーと僅差とはいえ視覚にはハッキリと違いがでます。
また、堅実なレンズを作り続けていることが評価されて、釣り業界最大手の「SHIMANO」で釣り用偏光サングラスに一部公式採用されている実績もありますね。
一番人気のシューターグリーンは「これじゃないとダメ!」という熱狂的なファンがいるぐらい有名なカラー。
意外と偏光レンズというのは使っているときの暗さが気になるものなので、今までの痒いところに手が届く一本を作りたいならぜひお試しください。
とくに2本目以降の偏光グラスをオーダーするときに選ぶと、マニアがオススメしている理由がよくわかると思います。
その他、ポラウィング SPXの細かい仕様についてはこちら
≫ 【メガネ屋が解説】偏光レンズに明るさを求めるなら「POLAWING SPX」はいかがでしょうか?
※番外 遠近両用から強度近視まで偏光できるHOYAの「ポラテック」
HOYAはメガネ用レンズの国内トップメーカーです。
そして、偏光レンズを作っているメーカーの中で他にない技術「コーティングで偏光してしまう」という変態的な製品を開発していたりします。
これは従来のポリカーボネート製偏光レンズ(安いサングラス)のようなレンズ表面のフィルム貼りではなく、メガネ用レンズを使った表面コーティングになります。
そのため安い偏光サングラスのフィルム貼りのような歪みも出ないし、耐久性も段違い。
何よりメリットが多く、
- レンズ選択の自由度がとても高い
- 偏光フィルムを挟み込まないのでレンズの厚みが出ない
- レンズ内での接着剤が剥離しない
という、一般的なメガネ用レンズと同じような選び方ができる画期的な内容になっています。
視力の問題で今まで偏光サングラスを作れなかった方でも、ポラテックなら対応できる驚異的な自由度があります。
1セットで2万~という価格がネックで、遠近両用の偏光レンズや度付きレンズが必要じゃない方にはあまりメリットがありません。
ですが、HOYAレンズを扱っているメガネ屋なら購入可能ですし、どこの眼鏡屋でも扱っているので試しやすいと思います。
※HOYAグループにはHOLTという下位ブランドがあるため、HOYAグループ取扱店といってもHOLTしか扱っていない店では買えません。
偏光レンズはメガネ屋で作るのが正解です!
今回の記事を書くにあたり、ほかにどういう偏光グラスが売られているのかを調べてみたところ、まぁまぁエグい商売をしているメーカーもいました。
もし偏光度が99%といいながらじつは90%しかなくても、お客さん側でそれを調べるのは困難ですし「理論上でその性能はありえない」というようなものも売られています。
性能を数値化しずらい偏光レンズでは、良いものも悪いものも「偏光サングラス」というカテゴリーでまとめて扱われてしまいます。
もちろん、真面目に作っているメーカーもあるかもしれませんが、性質上、両目で1万円を切るものは様々なデメリットを内包することになるのです。
これをいうとポジショントークのように聞こえるかもしれませんが、メガネ屋でオーダーする偏光サングラスは買えるものの中では最高峰です。
光学メーカーのものすごく頭のいい人たちが労力・予算・ノウハウ、を惜しみなくつぎ込んだハイクラスなレンズが使われています。
もちろん、当店で買わなくてもいいので、偏光サングラスだけはできるだけメガネ屋でちゃんとしたものを用意してください。
服などとは違って海外製だから安くていいものがある、なんて都合の良いことはメガネ業界ではありえません。
見え方で我慢をしたぶんだけ、目には相応の負担がかかります。
長年使っていると違いがわかってくると思いますが、違いがわかるころには目へのダメージは計り知れないものになっている可能性があるのです。
歪みや偏光酔いについても対応できるお店が多いです。
最初の一本はハイカーブレンズをなるべく避けてください
スポーツ用サングラスのようなハイカーブのフレームに偏光レンズを入れるのが釣りプロの間で流行っていますよね。
じつはこのハイカーブ、偏光酔いの原因として大きな割合を占めています。
とくに度数入りのレンズを作る方は、偏光酔いの影響を受けやすいといわれています。お気をつけください。
細かい説明をすると長くなるので省略しますが、レンズカーブがキツければキツいほど敏感な方は偏光酔いしたり、階段の段差がわからなくこともあるんですよね。
人によってはまったく感じないこともあるんですけど、当たり外れが酷いのと、安い買い物ではないため、なるべく最初は選択肢から外したほうが無難です。
4~6カーブ(敏感な人は4カーブ)以内から選ぶとサングラスを装着したときの違和感がかなり少なくなると思います。
※レンズカーブはフレームによって最初から決まっています。
まとめ
レンズを通した見え方というのは人それぞれで、それは自分以外誰にもわからない世界です。
見え方が人それぞれで違う概念のことをクオリアと呼んだりしますが、長くなるのでそれはまた別の記事で。
で、とくに偏光レンズというのはその性質上フレームやレンズの形も重要で、合う人、合わない人、がハッキリとわかれます。
ですが、今回紹介した4ブランド+1は偏光レンズの中でもハイエンドな部類になりますし、この中から選べばレンズ選びの段階で失敗することはほぼありません。
今回の記事で、あなたの理想の一本を作るお手伝いができれば幸いです。
▼偏光レンズに詳しくなりたいならこちらの記事!
偏光レンズの素材は何がオススメ?徹底解説します!